マティーニとは?辛口の味と魅力・有名な逸話|スナック純

上田市・袋町のスナック純

マティーニの物語

ジンとベルモット。辛口の一杯に隠れた奥深さ。

A LITTLE STORY ABOUT MARTINI

名前は知っている。でも、飲んだことは?

カクテルの名前を一つ挙げて、と言われたら、マティーニを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。ところが実際に飲んだことのある人は、意外と少ないかもしれません。

透明なグラスにオリーブが一粒。飾り気のない姿なのに、なぜか特別な雰囲気がある。今日は、この有名な辛口カクテルの中身を、少しだけのぞいてみましょう。


スナック純のマティーニ

ジンとベルモット。たった二つの主役。

マティーニの基本は、ジンとベルモット。驚くほどシンプルです。ジンはジュニパーベリーをはじめ、さまざまな植物の香りを生かした蒸留酒。すっきりした飲み口の奥に、複雑な香りが隠れています。

一方のベルモットは、ワインに香草やスパイスなどで風味を加えたお酒。甘口と辛口があり、ドライ・マティーニには通常、辛口のドライ・ベルモットを使います。

ジンのシャープさに、ベルモットのやわらかな香りが重なると、単にジンを冷やして飲むのとは違う、奥行きのある味わいになります。材料が少ないからこそ、そのバランスがはっきり表れるのです。

ベルモットを、どこまで減らす?

以前からマティーニには、ジン4に対してベルモット1、といった配合が使われてきました。ところが好みはさまざま。もっとベルモットを減らし、ジンの個性を前面に出す辛口好きもいます。

国際バーテンダー協会(IBA)が紹介するドライ・マティーニは、ジン60ml、ドライ・ベルモット10ml。比率にすると6対1です。もちろん、これが唯一の正解というわけではありません。

ベルモットの量を変えると、植物由来の香りや口当たりが変わります。「自分にとっていちばんおいしい比率はどこだろう」と考え始めると、一杯のマティーニが急に奥深く感じられてきます。

シェークする? それともステア?

氷と一緒に強く振るのがシェーク。静かにかき混ぜるのがステアです。マティーニでは、透明感を保ちながら冷やすステアが伝統的な方法の一つで、IBAの公式レシピもステアを採用しています。

一方、映画のジェームズ・ボンドが好むマティーニは、シェークするスタイルとしてよく知られています。ボンドの飲み方は、伝統的なジン主体のドライ・マティーニとは異なる場合もあります。

どちらの方法でも、ただ冷やせばいいというものではありません。氷がわずかに溶けて加わる水分まで含めて、味が整っていきます。作り方へのこだわりも、マティーニが語り継がれる理由なのでしょう。

オリーブ一粒にも、意味がある。

マティーニの象徴といえば、グラスの中のオリーブ。あの塩気とジンの爽やかな香りは、意外なほど相性がいいものです。

でも、飾りはオリーブだけではありません。レモンの皮をひねって香りを移すレモン・ツイストも定番。たったそれだけで、鼻に抜ける香りはずいぶん変わります。

見た目の美しさはもちろん、飲む直前の香りまでデザインする。そんなところにも、シンプルなカクテルならではの美学が感じられます。

スナック純のカクテルの写真

もともとは、もっと甘かった?

今では辛口の代表格であるマティーニですが、その源流とされるマルティネスには、甘みのあるジンやベルモットを使った古いレシピがあります。

19世紀末から20世紀初めにかけて、材料や好みの変化とともに、次第にドライなスタイルが広まっていったと考えられています。ただし、マティーニが誰によって、いつ誕生したのかには諸説あります。

最初から完璧な形があったのではなく、時代ごとの飲み手や作り手が少しずつ変えてきた。そう考えると、マティーニが何百ものアレンジを生むのも不思議ではありません。

チャーチルの、少し極端なマティーニ。

辛口のマティーニ好きには、面白い逸話がつきものです。イギリスのチャーチルは、ベルモットの瓶をちらりと眺めるだけでジンを飲んだ――そんな冗談めいた話まで伝わっています。

もちろん、これは本人の正確な飲み方を証明する話というより、「ベルモットはできるだけ少なく」という辛口好みを表した伝説として楽しむのがよさそうです。

007の映画にも登場し、歴史上の人物の名まで引き合いに出される。たった二種類のお酒から生まれた一杯が、これほどたくさんの物語を持っているのは面白いですね。

Hot な純で、Cool にマティーニを。

マティーニは、甘くて飲みやすいカクテルとは少し違います。ひと口目は思いのほか力強く感じられるかもしれません。でも、ジンの香りとベルモットの調和を知ると、また試してみたくなる魅力があります。

静かな夜に、ゆっくりと味わう。お酒にまつわるちょっとした話を楽しむ。そんな時間も、スナックのよさではないでしょうか。

Hot な純で、Cool にマティーニを飲みましょう。

お店でも、カクテルを楽しむ。

スナック純のカクテルメニューと「カクテルとは?」のお話はこちら。

参考資料:IBA公式レシピ / Difford’s Guide
※名称の由来・歴史上の逸話には諸説あります。本文は当店の旧記事をもとに、関連資料を参照して加筆・編集しました。